激動アジア 北朝鮮の脅威(24)首脳会談、正恩の挫折

トランプと金正恩の米朝首脳会談が先月の27、28日ベトナムのハノイで行われたが会談は決裂しその痛手はトランプより金正恩の方が大きい。米国による経済制裁により北朝鮮は疲弊しており、今回会談で是が非でも制裁解除を勝ち取りたかったが叶わなかったので正恩の落胆はさぞ大きいことだろう。

下図は会談決裂で仏頂面のトランプと正恩(2月28日、ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイで会談した金委員長とトランプ大統領)。

米朝首脳会談

以下、この米朝首脳会談に挑んだ正恩について思いつくままに触れてゆく。

1.平壌からハノイまで4000kmの列車の旅

金正恩の列車利用ルート
正恩専用機は古いロシア製旅客機で故障の心配があり、前回首脳会談でも中国旅客機を使用したが、今回、中国大陸を縦断する行程は4000キロを超え、約60時間もかかる鉄道の旅を決断したのは、過度に中国の世話になりたくない、中国の経済発展の様子を自身の目で確かめたい、等があると言われている(左はその行程である)。

正恩はハノイへ向け平城を出発、専用列車は23日夜に中朝国境を越え、25日午前7時ごろには湖北省武漢市を通過、26日に中越国境沿いのベトナム・ランソン省のドンダン駅に到着、ハノイまで車で移動した。

下の写真はビジネスインサイダーの記事「中国に飛行機を借りるのが恥ずかしかった? 金正恩氏が米朝首脳会談に列車で向かった切実な理由」の正恩だが、この中国大陸を縦断する鉄道の旅で彼は何を思ったのだろうか。

中国鉄道の旅の正恩

下の写真はハノイでの正恩と思われるニューズウィークの記事「対米戦争も市場経済も大金星──そんなベトナムを金正恩は目指す」からですが、その背後で正恩を見守る二人の姿が微笑ましい。同写真中央の女性が正恩の妹の金与正氏(朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部第1副部長)、とその右が金英哲氏(朝鮮労働党副委員長)であり、この二人は正恩を支える重要人物であり同首脳会談に出席した。

ハノイの正恩

2.及川幸久 潜在意識チャンネルが米朝首脳会談を語る

及川幸久氏の動画が同会談と米朝を最も良く語っているので取り上げます。
及川幸久

及川幸久氏プロフィール:1960年6月18日、神奈川県横浜市生まれ。 上智大学文学部卒業、国際基督教大学行政学大学院修了。 米国メリルリンチ社、英国インベスコ・アセットマネジメント勤務したのち、1994年に幸福の科学の職員となる。 現在は、幸福実現党外務局長を務めながら、国際政治コメンテーターとして、アメリカのラジオ・テレビ番組などにも出演している。
20190220 トランプ大統領が非核化を急がない理由【及川幸久】

前回の首脳会談(2018年)でアメリカ側は次の3つの成果を得た。①朝鮮戦争時の人質が返還された。②朝鮮戦争時の遺骨が返還された。③北朝鮮の核とミサイルの実験がなくなった。

2018年4月金正恩は朝鮮労働党の中央委員会を招集、先軍政治の廃止(軍の権威の失墜:軍上層部=エリート層の没落)、核とミサイルの実験中止を決めた。

これは革命であり、軍の権威を奪うので軍トップの反発が予想されるリスクの高い政策。政治革命とも言えるものだ。

金正日総書記の先軍政治:軍事と経済政策を同時に行う並進政策。
正恩の政治体制:経済政策を主に軍をその下に置く、従って軍の反発も強い。

トランプ大統領は「北朝鮮は経済大国になる」と述べている。正恩もこれを強く望んでいる。そしてトランプは中国のようなインチキ経済大国ではなく、北朝鮮を正真正銘の資本主義国にしてアメリカの同盟国とする構想である。

20190221 金正恩50~70人粛清 【及川幸久】

正恩の新たな動き:2月20日米ウォール・ストリート・ジャーナルのスクープ:50人~70人規模の裕福なエリート(主に軍上層部)の粛清、その目的は、①汚職の撲滅、②外貨資産を没収し国庫に入れる(今年の正恩念頭演説において「官僚主義および汚職」との戦いを宣言)。

これは正恩の改革、即ち、先軍政治からの脱却であるが。しかしたとえば正恩が非核化を望んでも軍のタカ派がいて出来ない。もしやれば軍がクーデターを起こす。

正恩は経済開発であるウォンサムのリゾートホテル&カジノの建設にトランプの協力を求める一方、この利権を軍に任せることで軍を懐柔しなが改革をすすめようとしている。

トランプはこの事情を理解しているので「非核化は急がない」と言う発言になった。

正恩のやろうとしているのは軍を敵に回しての改革であり開国であり、その成功の確率は高くない。軍にクーデターを起こされる高いリスクを背負っている正恩についてトランプは理解していおり、彼の「金正恩は大した奴だ」という評価に繋がる。

20190301 トランプと金正恩は決裂したのか?【及川幸久】

今回の会談は両国の思惑に大きなギャップがあり会談は決裂した。

正恩陣営:さほど重要でない核施設を閉鎖して経済制裁の全面解除を望んだ。
トランプ陣営:ほぼ全面的な非核化を要求した。

経済制裁で北朝鮮は疲弊しており、軍がクーデターを起こすリスクもあり、今回会談の決裂は正恩にとっては「敗北」と「挫折」であった。

しかし、今回の会談は極めてフレンドリーで行われた。これは「過去の冷戦時代のレーガン・ゴルバチョフ会談」に匹敵する歴史的会談でもあった。

20190306 米朝会談失敗!北朝鮮内部の反応【及川幸久】

これは米国のアジアに強いラジオ局からの情報である。

庶民:会談失敗の噂が広まる:アメリカの経済制裁が強まり生活が悪くなるのを心配している。
エリート層(主に軍の上層部):会談失敗を喜ぶ(会談が成功していれば正恩の経済改革が始まってエリート層は地位を失う)。

ベトナム型の繁栄を目標にする正恩:ベトナムは北朝鮮同様一党独裁の社会主義国であるが、1995年にアメリカとの国交正常化後に経済が繁栄(コメとコーヒーの世界的輸出国)、しかし同国エリート層はそのために没落した。北朝鮮のエリート層もこれを恐れている。正恩はこの首脳会談を成功させベトナム型の国造りを目指した。正恩の経済閣僚たちもベトナムの経済を視察していた。

3.北朝鮮は革命前夜

共産主義独裁国家は情報を完璧にコントロールすることで生存できるが、北朝鮮はそれを既に失っている。北朝鮮は今、日本の幕末やソ連崩壊前夜に近い。

今回の会談決裂は過去の「レーガン・ゴルバチョフ会談での一時決裂」と似ている。正恩はソ連崩壊時のゴルバチョフの役割が果たせるか、ベトナムのように経済繁栄を築けるか、正恩の真価が問われている。

革命か或いは滅亡か、北朝鮮は今、大変な歴史的分岐点にいる。

以上です。

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 そして、西洋文明で破壊された地球を救う為に立ち上り、全世界から武器を撲滅して戦争をなくし、万民が平等のミロク地球社会を築く努力をすべきである。

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愛知県在住、昭和15年生れ、本名:野村宏、愛知工業高校機械科卒、某エネルギー企業入社、万年平社員で定年退職、好きな分野は文明論、世界統治組織に興味を抱き陰謀論にトライ、【制作・研究等での主な参考書籍】馬野周二氏著書、太田龍氏著書、田村珠芳氏著書、ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表(アンドリュー・ヒッチコック著)、増田悦佐氏著書、竹内文書関係、エイリアンインタビュー(マチルダ・オードネル・マックエルロイによるインタビューと手記)。Twitter「明日に向かって」

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