英国人写真家の見た明治日本 この世の楽園・日本 2 日本婦人論

前稿で紹介した「英国人写真家の見た明治日本、この世の楽園・日本」(ハーバード・ジョージ・ポンティング著、長岡洋三 訳、講談社学術文庫)の続きです。

ハーバード・ジョージ・ポンティング:イギリスの著名な写真家・旅行家で日本を1902~1906年(明治35~39年)に訪れた。1910~1912年のスコット大佐の南極探検にも同行している。


ポンティングを読み終わって感ずることは幕末や明治日本が後進国では無く、外国人が感嘆する町並みや高度な工芸品を生産できる高い文化を持っていたのである。これはポンティングだけでなく当時訪れた多くの西洋人見聞禄に見られることである。今日はポンティングの日本人婦人論についてである。


彼は日本の風物に感銘すると共に日本女性へも讃辞を送り「日本の婦人について」と言う章をたて日本婦人論を展開している。文庫本40ページにわたる論文であり筆者も一読したばかりで総括を述べる力が無いので今回は日本婦人論の冒頭の文章を下記に紹介して終わりにしたい。


日本を旅行するときに一番すばらしいことだと思うのは、何かにつけて婦人たちの優しい手助けなしに一日たりとも過ごせないことである。中国やインドを旅行すると、何ヶ月も婦人と言葉を交わす機会のないことがある。それは、これらの国では召使いが全部男で、女性が外国人の生活に関与することは全く無いからだ。しかし、日本ではそうではない。これははるかに楽しいことである。


日本では婦人達が大きな力を持っていて、彼女たちの世界は広い分野に及んでいる。家庭は婦人の領域であり、宿屋でも同様である。優しい声をした可愛らしい女中たちが客の希望をすべて満たしてくれるので、宿屋に着いてから出発するまでの間に貴方にとって彼女たちの存在がなくてはならないものに感じてしまうようになる。

(中略)


日本の家へ一歩踏み入れれば、そこは婦人たちの優雅な支配力が感じられるからである。日本にはあらゆる美しさが備わっているが、もしも貴方を世話して寛がせ、どんな用でも足してくれる優しく明るい小柄な婦人たちがいなければ、魅力有る行楽向きの国とはならなかったであろう。

(中略)


彼女は独裁者だが、大変利口な独裁者である。彼女は自分が実際に支配してないように見えないところまで支配しているが、それを極めて巧妙に行っているので、夫は自分が手綱を握っていると思っている。そして、可愛らしい妻が実際にはしっかり方向を定めていて、彼女が導くままに従っているだけなのを知らせないのだ。


続く

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奴隷と戦争の野蛮で下らない西洋文明は終わりだ。新しい日本時代に向けて発言して行きたい。趣味は読書と盆踊り、愛知県在住、男性、Twitter(宙啐toroco)運営開始。