馬野周二氏のアメリカ素描(9)暗黒の支配者(イルミナティを知れば歴史のからくりが解ける)5

E・M・ジョセフソン著、馬野周二監訳「ロックフェラーがアメリカ経済をダメにした」(1989)から0章「暗黒の支配者」の続き(最終回)です。


時代を読み解く教科書


本書を貫通する思想的中心軸は、イルミナティに対するジョセフソン博士の反撃である。


このイルミナティ思想とは、古代の源流から発すると前述したが、その源流を遡ると、エジプトのピラミッドの頂上の目の中に消え去っているように私には思われる。


現在、われわれが気づかないうちに、世界の人たちがその生活をイルミナティにゆだねるようになった契機は、十八世紀後半以来、西欧に出現し、十九世紀以来、日本に及んできた工業化世界の全面に、このイルミナティ思想とその操作力が浸透してきたからである。


二十世紀の戦争と平和、繁栄と不況、文明と堕落には、すべてイルミナティの影が差しているとみてよいのではないだろうか。本書においてジョセフソン博士は、ドイツに興ったナチズムもまたイルミナティの操作に踊ったものとしている。


私もこれに同意する。ただし私のみるところ、この問題に関しては、それだけではないより複雑な構造を持っていると思う。というのは、ナチズムはその一面においてイルミナティ的独裁統一世界を指向していると同時に、ゲルマンの古い霊的思想も色濃く蔵しているからである。


むしろ私は、ゲルマン民族に発したナチズム運動は、イルミナティ的西欧とアメリカ、そして共産ソ連に取り囲まれたゲルマンが、彼らに対抗するための表層的手段としてイルミナティ的な外装をまとったものと考える。それはあたかも明治維新における日本が、西洋の思想・制度・産業を外面にまとって西洋に対抗したのと軌を一にすると思うのだ。


以上、当章は本書を読まれる読者に対して、本書の根底をなす思想の流れを説明してきたわけだが、最後に、本書でジョセフソン博士が述べている事柄のわれわれに対する今日的な意義を紹介しておきたい。


今日、ただ今、日米間にも、世界でもいろいろな事象、事件がひっきりなしに起きている。しかし一般の当事者は、それら生滅する事態に目がくらんでしまって、なぜそんなことが起こるのか、その深層―真相をみる余裕もなく、さらにはいろいろな事件の間に存在している脈絡を見抜くこともできない。本書は、これらへの教科書となるのだ。


つまり、過ぎ去った時代に起こったバラバラな事件だと読者が考えていた事柄が、実は否定することのできない連携をもって、ある意図を持った勢力によって起こされたものであることがわかってくれば、過去の世界はパノラマを見るように、歴史のからくりと仕組みをたっぷりと見出すことであろう。


そして読者の胸のうちには、そのパノラマから得た知識を将来の予測に応用しようという意欲も湧いてくるはずだ。


――このことこそ、私が本書をあえて日本語に移して、今日の読者に提供しようとする素意なのである。


いよいよこれから、読者の眼前に二十世紀末のパノラマが急速調に繰り広げられていく。いかにそのパノラマを見、意味を読み取っていくか、まだ開かれていない画面がどんなものであるかを見通す力を、いささかでも準備する役に立てば幸いである。



上記記事において当該書を‶時代を読み解く教科書″であると述べていますが、まったく同感です。私が以前にも述べたように馬野周二著作全体も現代の教科書でありバイブルでもある。また、時々刻々起こる事象を読み解く眼鏡であり、将来予測にも威力を発揮する望遠鏡でもある。


本日は以上です。

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Author:toroco
奴隷と戦争の野蛮で下らない西洋文明は終わりだ。新しい日本時代に向けて発言して行きたい。趣味は読書と盆踊り、愛知県在住、男性、Twitter(宙啐toroco)運営開始。