馬野周二氏のアメリカ素描(1)工業遊牧帝国の終焉

昨年の中頃から馬野周二氏の著作を読み続けています。同氏は今から30年前の1980年代に活躍した作家であるにもかかわらず、その時事評論や文明論は現代に生きている。


たとえば、最近起きている重要事件、311テロ、不正選挙、竹島・尖閣列島問題、中国の反日デモ、消費税増税、TPP、アメリカ財政破綻、等、を考えたり分析したりする手掛かりを与えてくれる。だから大げさに言えば同氏著作は私にとって現代のバイブルである。


これは大きな歴史の流れが戦後から(もっと前の明治維新以来)現在まで一貫して変わらないからで、米国VS日本、イルミナティVS日本、西洋文明VS日本文明、等と表すことができる。あるいは、イルミナティ米国の日本侵攻VS日本側の防衛、または、西洋文明の日本侵攻VS日本の反撃(勃興)などと表現できると思う。


この歴史の大きな流れをガッチリ掴んだ同氏著作だからこそ現代に適用できるのであって、このような作家は同氏以外皆無であろう。


以上は前置きで以下が今日の本論です。


今日から「馬野周二氏のアメリカ素描」を連載しようと思います。


同氏著作にはアメリカに関する記述がとても多く、読むとそれに衝撃を受けるのは度々です。そして売国マスコミに洗脳されていた輝ける自由の国アメリカのイメージが私の頭の中で打ち砕かれカルチャーショックを受けます。そこでこのような記事を「馬野周二氏のアメリカ素描」としてこれから取り上げて行きます。まあ、同氏著作から抜き書きするだけですが。


第1回目は「工業遊牧帝国の終焉」です。同氏著「大日本技術帝国(歴史工学による大予言)」(1982年、光文社)から、その第一章「アメリカは立ち直れない」の冒頭の一節「工業遊牧帝国の終焉」を以下に示します。


工業遊牧帝国の終焉


アメリカを車で旅行すると、トレーラーハウスの集落が見られる。昨今では立派なトレーラーハウスがあり、それらが集まる団地には、水道や下水の施設も作られているようだ。こうしたトレーラーハウスの主(ぬし)は、その周辺での仕事がすめば、明日にでも引き払って、次の目的地へ移動する。この姿を何かにたとえるなら、それは草を追って移動する遊牧民に似てはいないだろうか。


一見定着して持ち家に入っている人たちでも、アメリカ人の移動はきわめて激しい。ニューヨークタイムズなどの売り家欄は、驚くほどの頁数をとっているし、ハイウエーでは、NEW YORK↔CALIFORNIA MOVING などと書いた、引っ越し専用の多数の大型トレーラーに出会う。


もとより、ひとところに落ち着いて暮らす人も少なくないけれども、アメリカ社会の特徴は、いつでも、どこでも移動できることであるし、また、現実に移動する人間がきわめて多い。


ここで注意しなければならないのは、このような活発な移動社会は、家族全員と手回りの荷物が積め、またトレーラーが引ける強馬力の大型車、すなわちアメリカ車がなければ成り立たないということだ。


つまりこの移動社会は、低廉豊富な石油によって支えられている。したがってこのエネルギーの基礎が怪しくなれば、アメリカの本質にヒビが入ることになる。


今日、日本が競争しているアメリカ産業は、コンピューターであり、なお及ばないのは航空宇宙産業である。しかしこれらの世界的最先端工業は、アメリカの工業の小さな特殊部分であって、全体を見渡せば、アメリカは、より低度の工業製品、食糧、鉱物製品の大生産国なのである。


すなわちこの国は、広大な土地からの一次資源である石油、鉱物、食糧を収奪加工する、本質的に粗放工業の国であるといってよい。遊牧と同じで、資源をめぐってあちこちと移動するのであるから、馬の代替品、すなわち自動車、航空機が必須である。


牧草は再生するものである。だから遊牧そのものは人口と土地のバランスさえ破れなければ、いつまでも続きうる。ところが、石油、鉱物は枯渇するもので、そこに至る過程においてコストが上昇する性質がある。したがって、工業遊牧帝国の寿命は比較的短い。


この寿命は、たとえば最重要の資源である国内石油のコストをみていれば明らかになる。いったんそのコストが上昇に転ずれば、その国の余命は幾何(いくばく)もない。アメリカの石油生産は峠を越した。今やこの国に弔鐘が鳴りつつあることがわかろう。


同氏著作は以上です。


アメリカ工業遊牧帝国は第一次オイルショック(1973年)、第二次オイルショック(1979年)の石油高騰により寿命が尽き、現在のアメリカはフードスタンプ受給者が4,600万人もいる貧困国家でナチス顔負けの警察国家に変貌している。


本日は以上です。

本日のボーカロイドは今日もお休みです。

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Author:toroco
奴隷と戦争の野蛮で下らない西洋文明は終わりだ。新しい日本時代に向けて発言して行きたい。趣味は読書と盆踊り、愛知県在住、男性、Twitter(宙啐toroco)運営開始。